民生用DVDプレーヤーで再生できるDVDをつくる2007/05/10 15:35

我が家のiMac G5 (iSight)にはスーパードライブが搭載されている。システムプロファイルで確認すると、このドライブは松下製で、DVD+R DL※1の書き込みに対応している。ローカルディスクに放り込んであるVIDEO_TSフォルダを民生用のDVDプレーヤーで再生するためにDVD+R DLのメディアに焼こうと試みて、ドツボにはまった。Toastなどの特別なソフトを購入せずにやろうとすると、素人にはなかなか難しい。

DVD+R DLはDVD-ROM化する。

まず結論から言って、ドライブはLacie D2を新調した。内蔵の松下製ドライブでDVD+R DLへの書き込みができるにもかかわらず、わざわざ二重投資してまでドライブを購入したのにはいくつか理由がある。我が家のiMac G5はただでさえ稼働時の放熱に心配を抱えているので、CPUとドライブに同時に負荷のかかりそうなDVDの書き込み処理は、できれば外部のドライブに押し出したかったからだ。また、外部ドライブを導入すれば、Combo Drive(DVD書き込み機能なし)のiBook G4からでもDVDへの書き込みができるようになる、という利点もある。

もう一つ、外部ドライブにした理由は、ネットを漁ってもiMac G5(iSight)に搭載されている松下製のドライブがDVD+R DLをROM化してくれるかどうかわからなかったからだ。我が家のテレビにつながっているDVDプレ−ヤーはパイオニアのDVR-515H-Sというハードディスクレコーダーで、DVD-R系にしか対応していない。DVD+R DLに焼いただけでは、おそらく再生できない。未検証だけれど...

Lacie D2はDVD+R DLの焼き込み完了時にbook typeをDVD-ROMにする機能がある※2ので、パイオニアのDVDプレーヤーとの互換性が期待できる。

hdiutilでUDFフォーマットに変換。

最初、VIDEO_TSフォルダの上位フォルダからCD/DVDマスター形式のディスクイメージを作成し、それをDVDに焼けばいいだろう、と考えていた。どちらの作業もディスクユーティリティからおこなえる。

... が、そうではない。ネットの情報を漁っていると、とある掲示板にディスクユーティリティでISO9660形式のボリュームの作成が可能、と書かれていた。だがいろいろディスクユーティリティを試してみたが、ディスクユーティリティでは望む結果は得られないようだ。拡張子が.cdrのCD/DVDマスター形式のディスクイメージは作成できる。これをDVD+R DLやDVD-Rといったメディアにそのまま焼く。最後に焼き上がったメディアをいったん排出して再度DVDドライブに射し込むと... 期待する動作はDVDプレーヤーが起動して再生がはじまることだが... 結果はデスクトップにマウントされるだけ。DVDプレーヤーを手動で起動してマウントされたボリュームを読み込ませようとしても拒絶される。どうやら、このディスクはMac OS拡張フォーマットとして認識されてしまっているのが問題のようだ。ちなみにVLCでも再生できない。素人の知識では、VLCで認識できないのであれば、何をどのようにしてもこのディスクからビデオを再生する術はない。

ディスクユーティリティに見切りを付けてさらにネットを徘徊していると、mkisofsというコマンドをMac OS Xに入れると、Mac OS拡張フォーマットではなくDVD-Videoフォーマットのディスクイメージを作成できるらしい、ということがわかった。 使い方は、

mkisofs -f -dvd-video -udf -V <volume_name> \
    -o <image_name>.img <folder>/
である。

ここで、それぞれのオプションは次の通り。

-f: シンボリックリンクを追跡する
-dvd-video: DVD-Videoフォーマット互換のUDFフォーマットにする
-udf: 生成されるイメージにUDFサポートを含める
-V: ボリューム名
-o: 出力ファイル名

最後の<folder>はVIDEO_TSを含むフォルダの名前。

mkisofsで作成されたディスクイメージをファインダからダブルクリックすると、デスクトップにマウントされる。ダブルクリックするだけではDVDプレーヤーは起動しない。が、DVDプレーヤーを手動で起動すると、マウントされているボリュームにDVD-Video形式のものがあると認識するらしく、再生が始まる。このディスクイメージをディスクユーティリティでDVD-RやDVD+R DLに焼くと、すくなくとも我が家のパイオニアDVR-515H Sでは問題なく再生できた。

ところで、ネットを徘徊していると、わざわざmkisofsを拾ってこなくても、Mac OS Xに標準でついているhdiutilというツールでUDFフォーマットのディスクイメージをつくれるらしい。

hdiutilでmkisofsと同じことができるか実際に試してみたら... できた。使い方は下記の通り。

hdiutil makehybrid -o <output_name> \
    <folder> -iso -udf \
    -udf-volume-name <volume_name>

-o オプションには、生成されるディスクイメージの名前を指定する。つづく<folder>はVIDEO_TSフォルダを含むフォルダの名前。<volume_name>にはディスクのボリューム名を指定する。

hdiutilが生成するディスクイメージをファインダからダブルクリックすると、デスクトップにマウントされる。この状態でDVDプレーヤーを立ち上げると、自動的に再生が始まる。mkisofsと同じことができるようだ。

よくは知らないが、ディスクユーティリティーも下回りでhdiutilを呼んでるのだと思う。なぜにディスクユーティリティでDVD-Video(あるいはUDF)形式のディスクイメージを作成できないようになってるのかわからない。ハリウッドと仲良くするためにわざとそうなっているのかもしれない。

2層書き込みはディスクユーティリティで。

片面2層の書き込みに関しては、Mac OS X 10.4.9以降はディスクユーティリティが対応しているようで、問題なく行える。Lacie D2にはToast 6 Liteがついてきたが、これでToast 6 Liteは出番なし。

まとめ

結局、手順としては次の通り。

  1. VIDEO_TSフォルダを準備する。
  2. 4.7Gを超えるデータを扱う場合には、DVD+R DLのメディアと対応しているドライブを用意する。Mac OS Xのシステムプロファイラのハードウェアセクションで、「ディスク作成」の「書き込み方法」にDVD+R DLがリストされていれば、そのドライブは DVD+R DLを扱える。
  3. hdiutilでISO9660かつDVD-Video(UDF)形式のディスクイメージを作成する。VIDEO_TSフォルダのひとつ上のフォルダから作成する。
  4. ディスクユーティリティでメディアに焼く。

 

※1: DVD+R DL
DVD+Rで、片面2層に焼くための企画。DLはDouble Layerの頭文字。ちなみにDVD-Rのほうの片面2層の規格はDVD-R DLだが、こちらのDLはDual Layerだそうな。DVD+R DLは、DVD+R9 と書かれていることもある。

※2: DVD-ROMにする機能がある
最近の大抵のドライブでは民生用のDVDプレーヤーとの互換性を重視して、ROM化機能を搭載している -- と、秋葉原ソフマップの店員さんが教えてくれた。

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