iMac G5 熱対策2007/05/04 22:04

iMac G5 (iSight) の背面吸気口

我が家のメインマシンはiMac G5 (iSight)だが,長らくメモリを512メガバイトのままでなんとかやりくりしてきた。さすがに夫婦二人がファスト・ユーザー・スイッチをしながら使うには512メガだと辛く,ユーザーを切り替えるたびに一分から酷いときには二分も待たされることがしばしば。ページアウトどころか完全にスワップ落ちしているようである。まぁ,OLYMPUS Studio※1とiPhotoとiTunesとMailとSafariが同時に起動していて,さらに嫁がSafariのタブを十以上も開くので無理もない。

どうせ飲み会に誘われればCPU課金で一万円搾り取られるなら※2,家族のために後に残る出費も悪くはないと思い立ち,先週秋葉原で1ギガバイトの追加メモリを購入した。併せて1.5ギガバイトの環境にしたらメモリを使いきることなく,サクサク動くようになった。もう,快適の一言に尽きる。こんなに速かったのか,iMac G5。メモリが潤沢にあれば,の話だが。昔のOSは数百キロバイトの制限の中で動いていたもんだけれどねぇ...

ところが最近,頻繁にCPUの温度が高くなり,iMacが自動的にスリープするようになってしまった。CPUに負荷のかかる処理をするとすぐにスリープに入ってしまう。OLYMPUS StudioでRAWデータからJPEGへの変換をバッチ処理で九十枚ほどやらせるとダメ。MediaFork※3でDVDをH.264のmain profileに変換させてもダメ。とにかくCPUに仕事をさせると,五分と持たない。システム環境設定でプロセッサのパフォーマンスを『自動』から『低』に落としても,スリープに入るまでの時間が稼げるだけで,結局はスリープしてしまう。

CPUの温度がどんなになっているのかと思い,iStat Nano※4でチェックすると,定常状態でCPUの温度は七十度を超えている。CPUにちょっと仕事をさせるとすぐに温度が八十度ちかくまで急上昇し,そしてスリープ。iMac G5の初期型で放熱処理に問題を抱えていて,基盤の設計からやり直したはずのiMac G5(iSight)でこれでは,いかんともしがたいのである。

とにかく熱対策をせねば,とネットでいろいろ情報を探っていたら,今まで気がついていなかったところに吸気口があることを発見 - いや,発見と言っても,ちゃんとみてれば普通に気がつくだろ,というところにあったのだが - 本体を支える支柱の陰に,大きめの吸気口があるではないか。試しにここを指で拭ってみると,案の定ほこりまみれ。ということで,ウェットティッシュとブラシで掃除してやると,掃除している最中から急にファンの音が大きくなり - つまりそれまではファンの音さえ消してしまうほど吸気口が詰まっていたわけだが - CPUの温度が一気に下がった。

以来,CPUは定常で六十度前後,重い処理をさせても六十度台で推移するようになった。当然,ファンの回転数も3600rpmから1100rpmまで落ち,静かに稼働するようになった。

今回の教訓。吸気口の掃除は大切である。吸気口がどこにあるのかを知っておくことは,もっと大切である。

※1: OLYMPUS Studio
オリンパスのカメラが記録するRAWファイルをJPEGに変換するために使用している。使い勝手はもちろんPhoto Shopなどのほうが良いが,OLYMPUS Studioで現像しないといわゆる『オリンパス・ブルー』が再現できないという神話があり,いまもこれを使っている。神話の真偽については定かではない。
オリンパスの製品ページ

※2: CPU課金
マネージャー以上の人間であれば,本人の可処分所得に関係なく,一律高い飲み代を幹事が要求する習慣が僕の勤める会社にはある。CPU課金と呼ばれているが,人頭税と言ったほうが正確だろう。

※3: MediaFork
ちょっと前まではHandBrakeという名前のソフトだった。一昔前,MacでDVDをリッピングするには,ffmpegやらなにやら面倒くさいツールを使わなければならないことが多く,また映像と音声は別々に処理をしなければならず,そしてその面倒な作業をやったのに映像と音声がずれるということもしばしばで,とても僕のような素人に手を出せるものではなかった。そこにOpenShiivaという『お手軽一発変換ソフト』が出てきて随分ありがたい思いをした。やがてHandBrakeが出てきて,H.264などに対応していることもあってこれに飛びついたのだが,先日最新版をダウンロードしてみれば,MediaForkという名前に変わっていた。ただ,まだサイトのURLもタイトルもHandBrakeのままだ。
HandBrake

※4: iStat Nano
Mac OS X 10.4の便利な機能のDashboard。そのDashboardのウィジェット(アプリケーション)として動作する,CPUやメモリやその他もろもろのハードウェアの稼働状況を報告してくれるツール。ちなみにDashboardが便利だからといって,ウィジェットをあれこれ貼付けておくと結構なメモリを喰う。
iStat Nano

民生用DVDプレーヤーで再生できるDVDをつくる2007/05/10 15:35

我が家のiMac G5 (iSight)にはスーパードライブが搭載されている。システムプロファイルで確認すると、このドライブは松下製で、DVD+R DL※1の書き込みに対応している。ローカルディスクに放り込んであるVIDEO_TSフォルダを民生用のDVDプレーヤーで再生するためにDVD+R DLのメディアに焼こうと試みて、ドツボにはまった。Toastなどの特別なソフトを購入せずにやろうとすると、素人にはなかなか難しい。

DVD+R DLはDVD-ROM化する。

まず結論から言って、ドライブはLacie D2を新調した。内蔵の松下製ドライブでDVD+R DLへの書き込みができるにもかかわらず、わざわざ二重投資してまでドライブを購入したのにはいくつか理由がある。我が家のiMac G5はただでさえ稼働時の放熱に心配を抱えているので、CPUとドライブに同時に負荷のかかりそうなDVDの書き込み処理は、できれば外部のドライブに押し出したかったからだ。また、外部ドライブを導入すれば、Combo Drive(DVD書き込み機能なし)のiBook G4からでもDVDへの書き込みができるようになる、という利点もある。

もう一つ、外部ドライブにした理由は、ネットを漁ってもiMac G5(iSight)に搭載されている松下製のドライブがDVD+R DLをROM化してくれるかどうかわからなかったからだ。我が家のテレビにつながっているDVDプレ−ヤーはパイオニアのDVR-515H-Sというハードディスクレコーダーで、DVD-R系にしか対応していない。DVD+R DLに焼いただけでは、おそらく再生できない。未検証だけれど...

Lacie D2はDVD+R DLの焼き込み完了時にbook typeをDVD-ROMにする機能がある※2ので、パイオニアのDVDプレーヤーとの互換性が期待できる。

hdiutilでUDFフォーマットに変換。

最初、VIDEO_TSフォルダの上位フォルダからCD/DVDマスター形式のディスクイメージを作成し、それをDVDに焼けばいいだろう、と考えていた。どちらの作業もディスクユーティリティからおこなえる。

... が、そうではない。ネットの情報を漁っていると、とある掲示板にディスクユーティリティでISO9660形式のボリュームの作成が可能、と書かれていた。だがいろいろディスクユーティリティを試してみたが、ディスクユーティリティでは望む結果は得られないようだ。拡張子が.cdrのCD/DVDマスター形式のディスクイメージは作成できる。これをDVD+R DLやDVD-Rといったメディアにそのまま焼く。最後に焼き上がったメディアをいったん排出して再度DVDドライブに射し込むと... 期待する動作はDVDプレーヤーが起動して再生がはじまることだが... 結果はデスクトップにマウントされるだけ。DVDプレーヤーを手動で起動してマウントされたボリュームを読み込ませようとしても拒絶される。どうやら、このディスクはMac OS拡張フォーマットとして認識されてしまっているのが問題のようだ。ちなみにVLCでも再生できない。素人の知識では、VLCで認識できないのであれば、何をどのようにしてもこのディスクからビデオを再生する術はない。

ディスクユーティリティに見切りを付けてさらにネットを徘徊していると、mkisofsというコマンドをMac OS Xに入れると、Mac OS拡張フォーマットではなくDVD-Videoフォーマットのディスクイメージを作成できるらしい、ということがわかった。 使い方は、

mkisofs -f -dvd-video -udf -V <volume_name> \
    -o <image_name>.img <folder>/
である。

ここで、それぞれのオプションは次の通り。

-f: シンボリックリンクを追跡する
-dvd-video: DVD-Videoフォーマット互換のUDFフォーマットにする
-udf: 生成されるイメージにUDFサポートを含める
-V: ボリューム名
-o: 出力ファイル名

最後の<folder>はVIDEO_TSを含むフォルダの名前。

mkisofsで作成されたディスクイメージをファインダからダブルクリックすると、デスクトップにマウントされる。ダブルクリックするだけではDVDプレーヤーは起動しない。が、DVDプレーヤーを手動で起動すると、マウントされているボリュームにDVD-Video形式のものがあると認識するらしく、再生が始まる。このディスクイメージをディスクユーティリティでDVD-RやDVD+R DLに焼くと、すくなくとも我が家のパイオニアDVR-515H Sでは問題なく再生できた。

ところで、ネットを徘徊していると、わざわざmkisofsを拾ってこなくても、Mac OS Xに標準でついているhdiutilというツールでUDFフォーマットのディスクイメージをつくれるらしい。

hdiutilでmkisofsと同じことができるか実際に試してみたら... できた。使い方は下記の通り。

hdiutil makehybrid -o <output_name> \
    <folder> -iso -udf \
    -udf-volume-name <volume_name>

-o オプションには、生成されるディスクイメージの名前を指定する。つづく<folder>はVIDEO_TSフォルダを含むフォルダの名前。<volume_name>にはディスクのボリューム名を指定する。

hdiutilが生成するディスクイメージをファインダからダブルクリックすると、デスクトップにマウントされる。この状態でDVDプレーヤーを立ち上げると、自動的に再生が始まる。mkisofsと同じことができるようだ。

よくは知らないが、ディスクユーティリティーも下回りでhdiutilを呼んでるのだと思う。なぜにディスクユーティリティでDVD-Video(あるいはUDF)形式のディスクイメージを作成できないようになってるのかわからない。ハリウッドと仲良くするためにわざとそうなっているのかもしれない。

2層書き込みはディスクユーティリティで。

片面2層の書き込みに関しては、Mac OS X 10.4.9以降はディスクユーティリティが対応しているようで、問題なく行える。Lacie D2にはToast 6 Liteがついてきたが、これでToast 6 Liteは出番なし。

まとめ

結局、手順としては次の通り。

  1. VIDEO_TSフォルダを準備する。
  2. 4.7Gを超えるデータを扱う場合には、DVD+R DLのメディアと対応しているドライブを用意する。Mac OS Xのシステムプロファイラのハードウェアセクションで、「ディスク作成」の「書き込み方法」にDVD+R DLがリストされていれば、そのドライブは DVD+R DLを扱える。
  3. hdiutilでISO9660かつDVD-Video(UDF)形式のディスクイメージを作成する。VIDEO_TSフォルダのひとつ上のフォルダから作成する。
  4. ディスクユーティリティでメディアに焼く。

 

※1: DVD+R DL
DVD+Rで、片面2層に焼くための企画。DLはDouble Layerの頭文字。ちなみにDVD-Rのほうの片面2層の規格はDVD-R DLだが、こちらのDLはDual Layerだそうな。DVD+R DLは、DVD+R9 と書かれていることもある。

※2: DVD-ROMにする機能がある
最近の大抵のドライブでは民生用のDVDプレーヤーとの互換性を重視して、ROM化機能を搭載している -- と、秋葉原ソフマップの店員さんが教えてくれた。

ジュリエット...2007/05/31 19:38

とある製品の HP-UX 版の CD-ROM を入手した。この CD-ROM が必要だという同僚に送った。同僚いわく、「ファイル名が 8.3 形式になってる...」。 まさか、Joliet 形式? と思い、CD-ROM をもらって確認してみると UDF。そして HP-UX は 11i v3 になるまで UDF には対応していないらしい。 あぼーん。